ペルージャの中心地というのはそれほど広くありません。
古代エトルリア人が根を張った所で、
紀元前4世紀に造られたという井戸や、
のちに中世の城壁に組み込まれた城門(紀元前3~2世紀)も残っています。
かと思えば街の何ヶ所かで文明の利器エスカレーターを利用できます。
ペルージャは坂道が多いので、
急な坂道の代わりにエスカレーターがあったりするのです。
便利ですが、税金が高いのではないかと心配になります。さて、ホテルを出てそのエスカレーターを上ると、
なんと中世の城壁の内部に入り込んでしまいました。
まさにタイムスリップです。
ここはロッカ・パオリーナ (Rocca Paolina)といって、
城壁内の砦だったところです。
その昔ペルージャの勇敢な兵士達がたてこもっていたであろう所が、
現在は住民の歩道になっています。
週末は展覧会や骨董品マーケットが開かれています。
ロッカ・パオリーナを抜けると、
県庁舎のあるイタリア広場(Piazza Italia)です。
ここからヴァンヌッチ通り(Corso Vannucci)が北へ向かって伸びていて、
これがペルージャの目抜き通りです。
この先にあるのが街の中心である
11月4日広場(Piazza IV Novembre)で、
ドゥオーモ(サン・ロレンツォ大聖堂)がそびえ立っています。
中心地北端(前日行ったレストランの近く)まで足を伸ばしました。
坂道をのぼりますのでまさに「足を伸ばす」という表現がよく合います。
ペルージャで一番古い5世紀末~6世紀の
サンタンジェロ教会 (Tempio di Sant’Angelo)があります。
円形ですから教会としてはとても変わった形です。
これは古代ローマの影響を受けているそうです
(そういえばアウグストゥス帝の墓やサンタンジェロ城の形です!)。
近くに14世紀のサンタンジェロ門(Porta Sant’Angelo)もあって、
塔状になっている門の上にのぼれます。
のぼるには、「エトルリアの井戸」、「サン・セヴェーロ教会」と
共通券が必要で3日間有効の2,50ユーロ。
わたしは月曜日に再び行ってみたのですが
ガーン、閉まっていました。
サン・セヴェーロ教会の礼拝堂には
ラッファエッロの『三位一体』というフレスコ画があります。
静かな礼拝堂でラッファエッロの絵をボーッと見ているのもいいものです。
何しろ観光客が少ないので
はじめはラッファエッロ独り占め状態でした。
ちなみにこの絵、下にある洗礼者ヨハネや聖人たちの絵は
ラッファエッロの師ペルジーノによって付け加えられたものだそうです。
さてさてチョコレートで有名なペルージャ
(バチ・チョコレートのペルジーナ社はペルージャの会社)ですが、
ホット・チョコレートをBARで飲むのもいいと思います。
残念ながら今回わたしは飲みませんでした。
BARはマッテオッティ通りのCaffe del Sopramuroと
ヴァンヌッチ通りのCaffe MedioEvoに行きました。
それから忘れては行けないのがこちらです。
チョコレートケーキがおいしかった
SANDRIというBAR兼PASTICCERIA(ケーキ屋さん)です。
ペルージャの中心地と
ナカタもプレーしたスタジアムとを結ぶ
ミニメトロっつーのにも乗ってきたので報告します。
モノレールと言ってしまいそうですがレールが「モノ(1)」ではないので、
日本語では「新交通システム」と呼ぶらしいです。
写真つきの詳細はおなじみのこちらへどうぞ。
ここはイタリア?って思います。
きれいすぎます。
1分ごとに来るんです。
空いているんです。
帰りはわたくし始発から終点まで一人きりでしたので、
ポーズ付けてタイマーで撮影しまくりました。
運転士無し、駅員無しですから、
完全にビデオで監視されていたものと思われます。
恥ずかし。
午後5時半からはプリオーリ宮内公証人の間で
クラシック音楽を鑑賞してきました。
この公証人の間は
天井が荘厳なフレスコ画で埋め尽くされており、
入るなり驚かされます。
まわりを木製の長椅子で囲まれているからでしょう、
『ヴェニスの商人』の審判の場にいるような感じがします
(映画でそんなだったから…)。
コンサートの主役は2人の若手女性。
ヴァイオリンのヒラリー・ハーンとピアノのヴァレンティーナ・リシッツァです。
将来有望で実力ある大物若手2人のデュオを
こんな歴史的建造物の中でたったの15ユーロで聴けてしまうなんて
なんて贅沢なコンサートでしょう。
ヒラリー・ハーンのヴァイオリンは
見た目華奢でロリータ風の女の子にしては力強く、
そのギャップで頑張って魅せているような感じでした。
ピアノのヴァレンティーナ・リシッツァとの息はよく合っています。
リシッツァは日本のウェブサイト上では
「のだめ系ピアニスト」と言われているほど
独特な世界を持ったピアニストのようですが、
伴奏者としてはそれを全然感じさせませんでした。
それより選曲がすごく独特の世界を持った不思議な曲ばかりで、
彼女が一人で選んだんじゃないかと思うくらいです。
でかくてがっちりした体格で、長い金髪の乙女ですので、
ビジュアルで人を圧倒すること間違いなしです。
今度ソロで聴いてみたいです。
今年はじめに日本でもこの2人のツアーがあったそうで、
プログラムはまったく同じでした。
イザイ
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ短調Op.27-4
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番ホ長調Op.27-6
子どもの夢Op.14アイヴス
ヴァイオリン・ソナタ第4番『キャンプの集いの子供の日』
ヴァイオリン・ソナタ第2番
ヴァイオリン・ソナタ第1番
ブラームス
ハンガリー舞曲より
バルトーク
ルーマニア民族舞曲
この日の夕食はマッテオッティ広場近くのIl Paioloにしました。
食前にアツアツ焼き立てフォカッチャ
(具が何も乗っていない薄焼きピッツァ)が出てきました。
市販ではない瓶に入った(おいしい証拠)のオリーヴオイルを
数滴たらして食べるとコレがおいしいのなんのって。
これだけで一食になりえます。
わたしはアーティチョークの詰まった
巨大なラヴィオリ型パスタのホワイトソースを一皿目に、
そしてメインに牛フィレのバルサミコ酢ソースを頂きました。
ラヴィオリもバルサミコ酢ソースも自家製です。
彦摩呂顔負けグルメリポートは友人のブログでどうぞ。
食べ物がおいしいペルージャです。